秋は、なんだかもの悲しい?~漢方的に考える秋の心と体~
こんにちは、漢方まりもです!
やーっと、朝晩はずいぶん涼しくなってきました。
あんなに暑かったのに、日が暮れるのも早くなって、風もちょっとひんやり・・・
出かけるのに、羽織るものを一枚持っておこうかなと思うほどになっています。
秋って過ごしやすくて好きな季節ではあるんですが、夕方の空なんかを見ている
と、なんとな~く寂しいような、物悲しいような気分になることってありませんか?
秋の句で有名な松尾芭蕉の
秋深き、隣は何をする人ぞ・・・
なんともいえない「しんみり感」がありますよね。
昔の人も、秋にはこうした季節による心の変化を感じていたんでしょうね。
漢方的にも、季節と五臓は深い関りがあると考えられていて、以前のブログにも書きましたが、五臓はそれぞれ感情とも関連しているんです。
今回は、秋という季節を「心」と「体」の両方から考える記事です。
秋は「肺」と関わりの深い季節
東洋医学には「五行」という考え方があり、季節や体の働き、感情などを関連づけて捉えます。
その中で、秋と関わりが深いとされているのが「肺」なんです。
(ここでいう「肺」は、現代医学でいう臓器としての肺と、まったく同じ意味ではありません)
東洋医学では、肺は呼吸に関わるだけでなく、鼻や喉、皮膚などとも関係が深いと考えます。
そして肺と関係する感情とされているのが、「悲・憂」悲しみや憂いです。
悲しいことがあったり、心配事が続いたりすると、ため息が増えたり、呼吸が浅く(これは無意識かもしれませんね)なったりすることがあります。
東洋医学では、このように心と体は互いに影響し合うものとして捉え、悲しみや憂いが強すぎたり長く続いたりすると、肺にも負担をかけることがあると考えられているんです。
人の感情って単純なものではありませんし、気分が落ち込む理由も人それぞれ。
・・・なんですけど、「ここ最近なんとなく気持ちが沈むなぁ」という心の変化も、体の状態や季節的なものも含めてチェックをする。
そんな見方をするのが東洋医学の特徴ともいえますね。
秋は「乾燥」にもご注意を
そして秋の体を考えるうえで、もうひとつ大切なのが乾燥です。
夏の湿気の多い空気から、秋になるにつれて空気はだんだん乾いてきます。
東洋医学では、「肺は乾燥を嫌う」と考えるので、秋になると、
「喉がイガイガする」
「痰はないけど、コンコンと渇いた空咳が出る」
「鼻の中が乾く」
「肌がカサカサする」
「ドライアイになった」
「声がかすれる」
などなど、乾燥による変化が出てくることがあります。
そして、ここでもうひとつ。
五行では、肺と大腸も深い関係にあります。
秋の乾燥を考えるとき、鼻や喉、皮膚だけではなく、大腸(お腹や便の状態など)にも目を向けます。
まさに今の時期、便が出にくくなってコロコロしてきたとおっしゃる方もいらっしゃいます。
もちろん、便秘の原因は水分不足だけではありませんし、すべてを「秋だから」「肺だから」と結びつけるものでもないんですが、それでも、喉・鼻・皮膚・便など、一見バラバラに見える箇所でも、「乾燥」という共通点から眺めてみると、共通点はあるんですよね。
今の時期に起きている不調が、すべて同じ原因で起きている、というわけではありませんが、一つひとつを完全に切り離して考えるのではなく、「季節が変わって、この方にどんな変化が出ているかな?」と全体を捉えて考えるのはとても大事な事です。
症状だけではなく、気持ちはどうなのか。
食事や睡眠はどうなのか。
最近忙しくなかったか。
そうやって体質や暮らしまで含めて見ていくと、その人なりの「今の状態」が少しずつ見えてきて、改善のためのヒントを探ることができます。
秋の養生、こんなことから
何かあったらすぐに薬!ではなく、まず、日頃から養生していきたいですよね。
では、秋はどんなふうに過ごしたらいいのでしょう。
・・・っていっても、何か特別なことをしなくても大丈夫です!
まずは、乾かしすぎないこと。
そして冷やさないこと!
喉や鼻、皮膚などの乾燥に気を配りながら、こまめに水分をとる。
冷たいものではなく、温かい飲み物を取り入れてみるのもいいですよ。
夏はシャワーばかりだった方も、湯ぶねに入って疲れを癒すようにしてみてください。
食事では、白い食材や旬のものを取り入れるのがオススメ。
梨や白きくらげ、れんこん、ごま、豆類、きのこなど、秋の食卓に取り入れやすいものを利用してみませんか?
「これを食べれば肺が潤う」「これさえ食べれば大丈夫」ということではありませんが、秋に限らず、旬のものを楽しみながら、偏らずに食べることって基本なんです。
そして、肌寒くなってきたら体を冷やしすぎない。
疲れているなら無理をしない。
睡眠不足が続いているなら、少し早めに寝る。
食欲がない時は、消化に良いものにしてみる。
気持ちが沈んでいるときには、無理に元気を出そうとせず、少しゆっくり過ごしてみる。
紅葉を見たり、外を歩いたり、秋の匂いを感じたりするのもいいですよね。
まったく特別でも、突飛でもない養生法ですが、そのくらいでいいんです♪
「養生しなきゃ!」と頑張るより、季節を楽しみながら、今の自分に必要なことを少しだけでも取り入れてみる。
なるべく無理しない。それが一番!
秋になって、なんとなく物悲しく感じたときは・・・
季節の移り変わりをきっかけに、自分のことを観察してみてはどうでしょうか?
「なるほど、今の私はこんな感じなんだ」
と気づくことがあるかもしれませんよ?
「秋深き 隣は何をする人ぞ」
あなたは、何をする人ぞ??(楽)



