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漢方のススメ①(東洋医学と西洋医学)

更新日:2024年11月27日

皆さんの中で、漢方薬って言葉を知らない方は少ないと思いますが、漢方薬がどのように体にアプローチして働くのかをご存じない方は多いのではないかと思います。


なので、大まかなイメージとして

・長く飲まないと効かない

・すごく苦くてまずくて飲みにくい

・なんか身体には良さそうだけど、効き目が弱い

これが多くの方が持たれている漢方薬の印象なんじゃないかと思います。

そして、それは漢方薬に対して大きな誤解となっています。

もちろん、漢方薬の良さを知っていて大いに活用されている方もいるとは思いますが、残念ながら少数派の方ではないだろうか?と思います。


「漢方薬は即効性はないけど、副作用がないから長期で体質改善として飲むもの」

「病院の薬はすぐ効くけど飲み続けると副作用が怖いし、漢方薬で長期で治したい」

それも間違いではないのですが、先ほどあげたイメージと同様に、漢方薬に対して大きな誤解があります。


東洋医学
東洋医学

まず漢方薬とは、日本で独自に発展してきた医療で、日本特有のものです。

東洋医学(アジア発祥)である中国から伝わった中医学が、日本で発展して出来ました。

ルーツであり基礎となるものは、中国の古代哲学や伝統医学ですが、日本人の体質や風土に合わせて独自に進化し、漢方薬の処方が作られたのです。


そもそもの根本的な考えとなっているのは、中国4000年の歴史ある伝統医学であり、それが日本人に合わせて改良されたものが「漢方薬」なのです。


東洋医学とはアジア発祥の伝統医学の総称なので、中国の中医学、日本の漢方、インドのアーユルヴェーダやチベット、モンゴルなど、アジアで人々の暮らしに根付いてきた歴史あるものです。

科学的に証明されていないことも多いのですが、その歴史はとても長く、今も各国で医療として使われ続けています。


対して西洋医学は、ヨーロッパを中心に発展した医学で、解剖学、生理学、病理学を基にしたものです。日本には蘭学として入ってきましたが、東洋医学と区別するために西洋医学と表現されるようになりました。


古代ギリシャのヒポクラテスは「医学の父」と言われ、その思想が西洋医学のルーツとなっているのですが、そのヒポクラテスの有名な言葉に「自然こそが最良の医師である」とあり、人間の体には自然治癒力が備わっていて、医療はそれを手助けするものであり、決して自然治癒力の邪魔をしてはいけないという教えがあります。

私たちの体は、自分で自分の体を治そうとする力が備わっているのだから、その邪魔をするような医師や治療法であってはならないという根本的な教えです。


それとヒポクラテスの「食べ物で治せない病気は、薬でも治せない」というのがありますが、これは口にするもの(食事)が体に与える影響を軽視せず、重要視すべきだという考えで現在の栄養学や予防医学の基となっています。


日本ではこの西洋医学が標準治療として取り入れられており、東洋医学はあくまで補完医療として捉えられていますが、漢方薬も一部保険適用で認められているものもあり、病院でも漢方薬を処方される場合もあります。


ですが、西洋医学はあくまで解剖学、生理学、病理学を基にしたもので、東洋医学とは大きく異なりますし、たとえ医師でも漢方薬に詳しくないお医者様はいらっしゃいます。

さらに、西洋医学は科学的根拠(エビデンス)やデータに基づいた治療のため、病変の起きている臓器や細胞、部位など細かく調べて数値化し、分析し、診断して病名をつけられたものしか治療ができません。症状があっても、病名がつけられない場合は、対症療法として薬が処方されますが、それも保険適用の範囲でしか出せず、患者様ひとりひとりの体質やニーズに合わせた処方はできないのです。


病院で処方してもらった漢方薬が、あまり効かなかった、もしくは、苦くて飲みにくかったから途中で飲むのをやめてしまった、という意見は多く聞かれます。

西洋医学と東洋医学の根本的な考え方、アプローチがまったく異なるので、自分に合わない漢方薬を処方されてしまったり、その時々の状態に細かく合わせて組み合わせた漢方の処方がされておらず、漢方薬に対してマイナスイメージを持ってしまう方は必ず出てきてしまうのではないかと思います。


それに保険適用の漢方薬は、コスト削減や、なるべく服用してもらうために風味・苦みを消す必要があり、生薬ごとに刻み方を変えたり、抽出温度を変えたりなどコストのかかる製造ができず、効果そのものが重要視されないこともあります。


せっかくその人に合った漢方薬を処方してもらっているのに、飲んだけどあまり効かなかったという方に、もう一度、同じ漢方薬を試してもらうと、「え?これ、同じやつ?」と驚かれることもあります。

一度試してみて効果が感じられなかったから、漢方薬はダメだと決めつけずに、信頼できる専門家のところに相談してみてほしいと思います。


病院が得意とするのは、

・外科的な処置が有効なもの

・細菌感染など、抗生物質を使った方が早い症状

・緊急的に処置(手術)しなければならないようなもの

これらの場合は、病院で処置してもらうのが良いと思います。


逆に病院が苦手とするものは

・患者の自覚症状はあれど、いくら検査しても数値として特に異常がない

・現時点での医学では病名がつけられなくて対症療法しかない

など、これらに関しては漢方薬の得意とするところです。


病院だと「自律神経失調症です」とか「ストレスですね」とか「年齢のせいもあるかもしれません」だとか言われてしまったり、ありとあらゆる病院を巡っても原因が見つからず、最終的に気のせいだと言われてしまい、心療内科をすすめられたり・・・

※本当に、の)のせいの場合もあるんですけどね


病名が決まらなければ治療ができない西洋医学とは違い、症状が起きている部位だけに注目するのではなく、なぜそのような症状が出てしまっているのか、どこでバランスを崩してしまっているのか、その人の体質や生活習慣、ストレス環境、考え方の癖、などいろんな観点から全体的にみて判断していきます。


今、現在、検査して病名が見つからなくても現実問題、自覚症状として出ているので、それは何かしら原因があるんです。

身体の部位だけに注目するのではなく、その人の体、心、どこでどんな風にバランスを崩しているのかを探り、どうしたらバランスを元に戻せて改善できるのかを見つけていく作業になります。

そのまま放置して、同じ生活を続けていくといずれ病気に発展してしまう状態のことを「未病」といいます。西洋医学では未病の状態では治療ができませんが、漢方は自覚症状があれば治せますし、自覚症状がなくても、健康維持のために予防としても漢方薬は役立ちます。


長くなってしまいました。続きはまた今度。

次回、「漢方薬のススメ②」をアップいたします。

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