春はデトックスの季節「発陳」
- 漢方まりも(店主:まりこ)
- 3月25日
- 読了時間: 4分
春は、新しいエネルギーが芽吹く季節ですよね。
自然界では草木が芽吹き、冬眠していた動物たちも活発に動き始めます。
同じように、人の体も冬の間に溜め込んだものを外へ排出し、新しく生まれ変わる力が働き、新陳代謝が活発になる時期です。
この変化を、東洋医学では「発陳(はっちん)」といいます。
発陳をもう少し詳しく説明すると・・・
発陳とは、立春(2月4日頃)から立夏(5月5日頃)までの期間に、冬に蓄えたものを外へ出し、新しく入れ替える自然な働きのことを指します。
寒い冬は、体がエネルギーを蓄えて温存しようとする力が働きますが、春になるとその蓄えを解放し、自然とデトックスが始まります。
このデトックス作用により、体の老廃物が排出されやすくなるため、ダイエットがしやすくなる時期でもあります。
また、新しいことを始めたり、冬の間に考えていたことなどにチャレンジするのに適したタイミングでもあります。
体と心がリフレッシュされやすいですし、エネルギーが外に向けて動くので新たな挑戦に前向きになりやすかったりします。
この時期に出やすい不調
発陳の影響で、体が変化するこの時期、気の流れも活発になりますがスムーズに巡ることができないと、不調を感じることもあります。
特に、以下のような症状が出やすくなります。
・肌荒れ・肌トラブル
冬に溜め込んだ老廃物が排出される際に、一時的に吹き出物やかゆみが出やすくなります。
・アレルギー(花粉症など)
体が排出モードに入るため、体からアレルゲン(抗原)を追い出そうする力も強くなることで、アレルギー反応が酷くなることもあります。
・イライラ・怒りっぽい
春は「肝」の働きが活発になるのですが、この時期はエネルギーが上昇する性質があるため、気の巡りが乱れやすくイライラしたり、怒りっぽくなったりします。
・だるさ・眠気
新陳代謝が活発になり、体がエネルギーを消費しやすくなるのは良いのですが、体に十分なエネルギーが蓄えられていない虚弱なタイプの方や、気をうまく巡らせる力が弱い方などは、この時期にだるさや眠気を感じることも。
これらの症状は時期的なものだったりもしますので、あまり落ち込まず、気持ちをリラックスさせて過ごすことも大事です。
発陳をスムーズに進めることで和らげることができますよ。
発陳をスムーズにするための過ごし方
発陳の働きをうまく活かすためのオススメ生活習慣がコチラ!
・いつもより少し早起きする
春は陽気が高まる時期なので、朝早く起きて太陽の光を浴びることで、体内リズムが整い、気の巡りがスムーズになります。
・軽めの食事を心がける
冬に比べて、春は消化器の働きが変化します。
冬は蓄える時期だったため多少油っこいものや濃い味付けのものでも消化できますが、春は消化の力が弱まるため、揚げ物や脂っこい食事は控えめにしましょう。
ですが、春はエネルギーが必要とされる時期なので野菜や発酵食品を中心とし、味付けもあっさりとした良質なたんぱく質中心の食事を意識すると、デトックスが促されますよ。
・軽い運動を取り入れる
気候もあたたかくなってきて、外に出やすくなってきたらウォーキングやストレッチなど、軽く汗をかく程度の運動をしましょう!
血流が良くなり、老廃物の排出が促され、さらにデトックス効果が出ます。
漢方薬には、春のデトックスを助けるものもありますので、そういうのを利用するのもオススメです。
・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
脂肪燃焼や便秘解消を助ける。
・大柴胡湯(だいさいことう)
気の巡りを整え、肝の働きを良くしてイライラを鎮める。
・防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)
むくみで痛みや腫れがある人の体内の余分な水分を、尿として排出させる。
・五苓散(ごれいさん)
水分代謝を調節し、全身のむくみを解消。
ご紹介した漢方薬以外にも、デトックス効果のある漢方薬はたくさんあります。
自分の体質や症状に合った漢方薬を選ぶことで、春をより快適に過ごせるようになりますよ!
まとめ
春は、体が自然にリセットされる大切な時期です。
発陳の働きをうまく活かして、春の不調を軽減し、スッキリ元気に過ごしましょうね。
「最近なんだか調子が悪い…」という方は、ぜひ春の過ごし方を見直してみてください。
「漢方薬を試してみたいけど、どれが自分に合うかわからない」
「不調がいくつもあって、どうしたらいいかわからない」
「病院にいくほどでもないけれど、このまま放置していていいのかな?」
など、年を重ねるにつれ、ご自分の健康が気になるものです。
そういう時は一人で悩まず、また、自己診断で安易に薬を服用したりせず、きちんと専門家に相談してみましょう。
漢方まりもでは、お一人お一人に合った漢方薬の処方を組み立ててご提案しております。
体は変化していきますので、漢方薬の処方も変更していく可能性もありますし、自己診断では難しいため、ぜひご相談くださいね!