怖い話で涼しくなる理由と漢方的夏養生!夏は心をいたわろう
- 漢方まりも(店主:まりこ)
- 5 日前
- 読了時間: 3分
夏に多い怪談と季節・五臓・感情の関係
夏になると増える怪談…怖くなるような催し物…
テレビではホラー特集、地域では肝試しやお化け屋敷。
背筋がゾォ~っとして「寒気がしてきた…?」なんて感じた経験、ありませんか?
実はこれ、東洋医学的にもちゃんと理由があるんですよ。

夏は「心(しん)」の季節
東洋医学では、夏は五臓の「心」と深くつながる季節。

感情でいえば「喜び」に関係します。

色は赤、味は苦味など他にも季節との繋がりはたくさん!
さらに心とペアになる臓腑は「小腸」、そして外に現れるのが「舌」
「最近、舌の色が赤っぽい」「先がピリピリする」なんてことありませんか?
これも夏の心の疲れサインかも・・・
喜びすぎても、心はお疲れモードに
「喜びすぎて疲れるなんてある?」と思われるかもしれませんが、実はあるんです。
夏は心に負担がかかりやすく、オーバーヒートしやすくなります。

症状としては、動悸、息切れ、不整脈、不眠、さらには高血圧などにもつながることも。
楽しい旅行から帰ってきた翌日にどっと疲れが出る、あの感覚といえばわかりやすいかも?
過剰な楽しさの日々の中、気が減ってしまうと、夏バテの原因にも。
小腸の働きも落ちてしまい、胃腸のもたれやお腹の不調にもつながります。
怖い話が涼しく感じるワケ
恐怖を感じると交感神経が優位に働き、末端の血管がキュッと縮みます。
その結果、体の表面温度が下がり、寒くなったように感じるのです。

これは危険を感じた体の防御反応なんですが、なんだか怪談は天然のクーラーみたいですよね!
とはいえ、恐怖体験は心を冷やしてしまいます。
一時的なものであれば、過剰に喜び過ぎた心を冷却してくれますが、これまた過剰になると冷やしすぎてしまいます。
バランスって大事ですよね。
日本の夏と怪談文化
昔から、日本の夏といえば怪談がつきものになっていますよね。
理由のひとつは、お盆の時期とのつながりです。
お盆はご先祖さまの霊を迎える行事であり、「あの世」と「この世」が近くなる時期とされてきました。自然と、目に見えない霊界を意識しやすい時期になりますよね。
また、江戸時代には歌舞伎や寄席で怪談が人気を集めました。
当時の劇場は、狭い空間で暑くなってしまう夏場の集客に苦労しており、「背筋の寒くなる話」を演じることで、暑さを忘れさせる工夫をしたと言われています。
当時の納涼エンタメのひとつとして、庶民の娯楽となりました。
やがて怪談は、花火や風鈴の音と同じように「夏らしさ」を感じる風物詩に。
暑い夜、涼を求めて集まり、灯りの下でひとつ、またひとつと語られる不思議な怖い話・・・
その背筋をゾッとさせる涼しさこそ、かつての夏の小さな楽しみだったのかもですね。

怪談よりも大事な夏の養生
怖い話で涼しくなるのは一瞬。
刺激の多い現代人にはやっぱり養生が一番大事。
冷たい飲み物で胃腸を冷やすより、あたためる養生法を。
恐怖でゾッとする体験より、ホッと癒される時間を・・・。
暑さで疲れた心、小腸、そして舌の健康も意識してチェックしてみてくださいね。

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ゆっくりお話ししながら、あなたの心と体に寄り添う漢方をご提案します。
夏をもっと穏やかに、安心して過ごしましょうね。