冷えは女性の大敵
- 漢方まりも(店主:まりこ)
- 2024年12月4日
- 読了時間: 6分
12月に入り、寒さが増してきましたね。
冷え性の女性にとっては辛い時期がやってきました。

手足の指先が冷たくて、お布団に入っても温まらず、湯たんぽが必要なほどに冷えていたり、タイツや靴下を重ねてはいたり、もこもこしたウォーマーで足先をカバーしても効果がなく、逆に蒸れてしまって汗をかき、その汗でさらにに冷えてしまっていたり・・・
手足の指先は冷えるのに、首から上の顔の部分だけは火照りを感じて、のぼせのような状態になったり・・・
指先だけにとどまらず、お腹のあたりまで冷えてしまって腹痛を起こしたり、頭痛がしたり、下痢をしてしまったり、鼻水が出たり・・・
身体の冷えはあちこちに支障をきたしてしまいますね。
たかが体の温度、だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、生命活動に大きく直結してきます。
体内の温度が上昇することで熱中症にもなりますし、逆に低くなりすぎることで低体温症を引き起こしてしまいます。
たとえそこまでの極端な変化ではなくとも、冷えを放置すると様々な不調に繋がってしまいます。
私たちの体の体温調節をしてくれているのは自律神経で、暑ければ汗をかかせて体温を下げようとしますし、寒ければ毛穴を締めて体温を逃がさないようにします。
身体を冷やさないように、余分な水分を体から出そうと体が働き、それが鼻水になったり、咳になったりもします。
寒ければ着こんであたためようとしても、手足の指先といった末端が冷えてしまうという女性は少なくありません。
同じ環境にいても暑いと感じる人もいれば、寒いと感じる人もいるように、冷えを感じるのはその人の感覚なので、他人にはわからない部分でもあります。
単なる寒がりの方とは違って、冷えてしまうことで、指先がしもやけになったり、頭痛や腹痛、肩こりなど、冷えに伴う症状が出てしまっている人を冷え症といいます。
体温機能を調節しているのは自律神経だといいましたが、冷えの大きな原因として血流の悪さがあります。手足の指先のような末端まで血液がうまく循環してくれず、頭部にばかり血液が集まってしまってのぼせてしまったり、そもそも貧血傾向にあり、全身を綺麗に循環する血液が不足しがちの場合もあります。
他には、精神的ストレスによっても体は冷えてしまいますし、体の冷えは心の冷えにも繋がり、冷えているからメンタルが弱るのか、メンタルが弱るから冷えるのか?というくらい、関係が深いです。
女性だと特に、ホルモンバランスの崩れからも冷えが起こったりもします。
胃腸障害により、冷えが発生することもあります。胃腸もまた、体温に大きく関わっているため、冷たい冷飲食ばかり摂取していると体はますます冷えてしまいます。
以前、薬局でお客様の指先の血流を診断する機会があったのですが、指先までしっかりビュンビュン血液が流れている方もいれば、のろ~のろ~と流れてはいるものの、非常に流れが遅い方もいました。問題だったのは、指先の毛細血管が消えてしまってゴースト血管になってしまっている方がいたことです。
血液の流れが悪い?ゴースト血管?それって、高齢者じゃないの?と思うでしょう?
ところがそうではなく、20代の若い女の子で暖房の効いた薬局内でもひざ掛けしないといけないくらい寒がりの子は、血液の流れが非常に悪かったですし、子育て中でストレス過多の女の子も指先が冷えてしまって流れが遅くなっていました。
40代くらいの男性で働き盛りの人でも、血液中の脂質に問題があり、流れが悪かった人もいますし、腎臓を悪くされている方は指先の血管が消えてしまっていました。
70代でも食事に気を付けてはつらつとしている方なんかは、さすがというか、血流が良くて血管もしっかりくっきり見えていました。
末端の血流がどうなっているのかで、すべてを診断することはできませんが、体を流れる全身の血流を判断するひとつの目安となります。
冷え症を改善しようと思ったら、まずご自分の生活習慣を見直してみましょう。
冷える要因を作ってしまっていることがあるかもしれません。
まず、物理的に冷えないように衣服で体温を逃がさないようにすること。
冷たい冷飲食を避けて、なるべくあたたかい、もしくは常温のものをとること。
暑い地方から採れる作物は冷やす傾向にあるので、体を冷やす食材をなるべく避けること。
質の良い睡眠を取れるよう環境を見直すこと。
軽くていいから、有酸素運動を生活に取り入れること。
シャワーではなく、湯船にお湯をためてゆっくりあったまること。
言うのは簡単、実行するのは難しいかもしれませんが、毎日の入浴を湯船に浸かるようにすることは比較的できそうな気がしませんか?
忙しい方は5分でもいいので、全身をお湯につけて血流を改善させてあげてください。
熱いお湯の温度は交感神経を刺激させ、余計に頭部にばかり血液が集まり、のぼせやすくなってしまいますので、お湯の温度は38~41℃がオススメです。
ぬるめのお湯にゆ~っくり30分ほど浸かってリラックスバスタイムしませんか?
毛細血管を緩め、末端の指先まで血液が循環し、体をあっためてくれます。
ゆ~ったりあったまった深部体温はその後、1~2時間ほどでゆ~っくり下がっていきますので、体温が下がっていくタイミングで入眠するようにすると、睡眠の質を高めることができます。
好きな香りのアロマを使ったり、湯船の中で気になるところをマッサージしてあげたりと、お風呂の時間を有効活用してキレイになっちゃいましょう!
身体のすみずみまで血液を流してあげることで、末端の冷えを解消するだけでなく、体の修復をスムーズにしてくれたり、肌や髪の状態も良くなります。
女性は、肌ツヤ、髪のツヤがよくなり、爪先までぴかぴかになると気分がアップして楽しくなったりしませんか?肌がいつもカサカサで色つやもなく、クマができていたり、くすんでいたら気分も低下しがちになりますよね。
お風呂は体の汚れを落とすためだけと考えず、一日汚れた血液を循環させて巡らせる大切な時間と考え、湯船に浸かる習慣を身につけましょう。
寒い冬だけでなく、夏でも湯船に浸かることをオススメします。
え~?暑いじゃないの!と思った方、入り方を工夫したら良いのです。
ぬるま湯で、半身浴にするものオススメですよ!
試しているけど、なかなか冷えが改善しないという方は漢方薬もオススメします。
冷えているからといって、何か検査をしてもらうわけでもないので、このような自覚的症状の場合はやっぱり漢方薬は得意です。
血液の流れを良くする漢方薬は、当帰芍薬散、温経湯、四物湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、桂枝茯苓丸・・・などなど他にもありますが、それぞれに当てはまるタイプというものがあります。
あるにはあるのですが、教本のとおりに選んで飲んでもらっても、それが合わなかったり、いまいち効果を感じられないというパターンは実は多いです。
血流の問題ではない場合もありますし、自己判断で選ぶのは避けた方が良いでしょう。
合わない血液の漢方薬を飲んでしまうと、望まない副作用を起こしてしまうこともありますので、やはり専門家に相談することをオススメいたします。
ぴったり合うものが見つかると、冷えだけでなく、いろんな良い効果がありますよ!
毎日の生活に漢方薬を取り入れて、健康的な毎日を過ごしてみませんか?