冬の肩こり・腰痛を撃退!養生法
- 漢方まりも(店主:まりこ)
- 2024年12月17日
- 読了時間: 4分
更新日:2024年12月27日
冬に痛みが出る主な原因とは?
冬になると、肩こりや腰痛がひどくなると感じる方はいませんか?実は、寒い季節にはこうした症状が悪化しやすい理由がいくつかあります。
今回は冬に悪化する痛みの原因と養生法について、漢方的視点からお伝えします!
寒さによる筋肉の緊張と血行不良
寒くなると、体が冷えないように筋肉が無意識に緊張します。
普段でも姿勢が悪かったり、力を入れることで筋肉は緊張し硬くなりますが、寒い季節は体温を逃がさないように自然と体が縮こまり、筋肉が緊張するという状況になりやすいのです。
筋肉や筋が緊張して硬くなることで、血液の流れが悪くなり、「コリ」や「痛み」が出やすくなります。
「血」による問題 瘀血と冷え
漢方では、肩こりや腰痛の主な原因は「血の滞り(瘀血おけつ)」や「冷え」だと考えます。
特に寒い季節は、体が冷えて血液の巡りが悪くなりやすく、その結果、痛みや張りが強くなることがあります。
冷えによって血液の巡りが滞りやすくなると、体全体の疲れが取れにくくなることもあるんです。
血液の流れが滞る原因は冷えだけではありませんが、寒い季節は冷えによる原因が大きな要素になっていると思います。
冬は「腎」が弱りやすい時期
漢方において「腎」はとても重要な部分です。
西洋医学的にいうと腎といえば腎臓を思い浮かべますが、それとは異なり、東洋医学では腎を独特の視点で捉えています。
腎は一言でいってしまえば、生命エネルギーの貯蔵庫。親から譲り受けた先天の精と自分で作る後天の精と合わせて、「腎精」といいますが、この生命エネルギーを使いながら生きています。
他にも、体を温めたり、体内の水分調節をしたりと大切な役割のある部分ですが、疲労や寒さが重なる冬には特に弱りやすくなります。
「腎」は加齢や老化現象とも深く関わり、「腎」が弱ることで、肩こりや腰痛、冷えなどの症状が出やすくなったりします。
さらに12月から1月にかけては、仕事や家事、年末年始のイベントなどで心も体も忙しくなりがちです。
また、寒さから外出や運動を控えてしまい、座りっぱなしや同じ姿勢が続くことで、血行がますます悪くなり、筋肉が固まって肩や腰の痛みを感じやすくなります。
筋肉と腎のケア 4つのポイント
寒さによる筋肉のコリ、血行不良、腎の弱りなど、体が冷えることで様々な不調が出てきます。対策として簡単に4つまとめてみました。
①肩や腰をあたためる
やはり冷やさないことが大切です。湯たんぽや温湿布を使ったり、お風呂に浸かるなどして、しっかり体を温めましょう。
特に冬場は、首や腰回りを保温して冷やさないように服装にも気をくばってみてください。
温めることで血流を良くして、コリや張りをほぐします。
②肩井と腎兪のツボ押し
肩こりと腎に効くツボを押すのも効果的です。強く押したりせず、気持ちいいと感じる程度にマッサージしてみてください。
肩井(けんせい)肩こりの緩和に効果的で、両肩の中央あたりにあります。指で軽く押すか、円を描くようにマッサージしましょう。
腎兪(じんゆ)腎の働きを助けてくれます。腰の背骨から左右に指2本分外側、ウエストのラインあたりにあります。両手の親指を使って、優しく押してください。

③休息をしっかりとる
冬は「閉藏(へいぞう)」の季節です。
エネルギーを閉じ込め、春に向けて蓄えておく時期とされています。
冬の三ケ月は、天の陽気が遠ざかり万物の生機が閉じこもります。自然界も人も、この時期はエネルギーの放出を避け、十分な休息を必要とします。
運動も激しい運動は避け、軽いストレッチや散歩などのゆったりとしたものが向いています。
この時期にエネルギーを激しく使うような無茶をした場合、春に腎の弱りからくる不調が出てきます。
腎による不調は、頻尿や尿漏れなどのトラブル、骨の弱り、腰曲がり、耳の不調、かすみ目などがあります。
この時期の休息を怠ると腎が疲れやすくなりますので、十分な睡眠を取り、心身をリラックスさせる時間を作りましょう。
④腎に良い食材
腎のケア、腎のエネルギーをチャージするのにオススメの食材があります。
旬の食材には、その時期に起こりやすい症状を予防してくれるような効果がありますので、上手に取り入れてみてくださいね。
黒ごま、黒豆、ひじきなどの黒い食材
牡蠣やシジミ、わかめ、海苔、昆布などの魚介類や海藻類
山芋など精のつくものも、この時期おすすめです。
ただし、オススメしておいて何ですが、「これが〇〇に良い」からといって、それを過剰に摂取したり、それらばかりを摂取するのは逆効果になりかねません。
あくまで、チョイ足しくらいの意識が良いかもしれません。
基本的には、やはりバランスの良い食生活が一番良いと思います。
冬は腎を守ることで、肩こりや腰痛だけでなく、全身の健康にも良い影響を与えることができます。
『漢方まりも』では、体質に合った漢方薬や養生法をご提案しています。
寒さが厳しいこの季節、ぜひ一度ご相談くださいね。