なぜ「痩せたい」と願っているのに食べてしまうのか…?
- 漢方まりも(店主:まりこ)
- 6月27日
- 読了時間: 8分
「食べたい」欲求が止まらない脳の仕組み
「これ食べたら太るだろうな・・・」
「最近、体重増加してきたからダイエットしなきゃ・・・」
そう思っているのに、気づけば手に取ってしまうデザートやお菓子、好きなジュースやお酒・・・
そして好きなだけ摂取したあとに後悔してしまう・・・
そんな経験、みなさん、ありませんか?
私はあります(笑)
実はこれ、あなたの意志が弱いからダメだ!ということではなく、脳の仕組みがそうさせているんです。
そうなんです、脳のせいなんです!
(人はそんなに意志が強くない~)
脳は、将来の健康や未来の理想の自分よりも、今すぐの快楽、目の前のご褒美を優先してしまう性質があります。
目の前のスイーツの誘惑に勝てないのは、自然なことなんです。
お釈迦様だって、スジャータのお粥の誘惑に勝てなかったんですから!
(それで悟りを開かれてるし、それまでは苦行に耐えておられるので、一緒にするなと言われそうですが・・・)

甘い誘惑に負ける脳のクセ
お釈迦様と同列に語ることはできないにしても、人は(脳は)苦痛よりも快楽や報酬を手に入れるために指令を強く出すため、意志の力で防ぐのは簡単なことではありません。
脳は、脂質・糖質・塩分が多い食べ物に対して特に強い「報酬」を感じるようになっています。
これは、かつて飢えをしのいで生き延びてきた私たちの本能の名残り。
簡単に食べ物が手に入らなかった時代とは違って、飽食の世の中になった今、そこまで糖質や脂質を求めなくても良いのですが、人間に備えられた本能の欲求はすさまじく、そして現代の加工食品は、その本能を強く刺激するよう作られています。
企業からしたら、食べたい!と思って、購入してもらわないといけませんからね。

怖いことに、昔ながらの自然で素朴な健康食より、現代の加工・精製された簡単に口にすることのできるファーストフードの方が「またアレを食べたい!」と思わせる依存性が強く、欲求のままに食べ過ぎ飲み過ぎたカラダは慢性的な炎症を起こしやすく、やがて重大な健康リスクも、もたらしてしまいます。
ストレスと食欲(過食)の関係
「ああ~!イライラする!お酒飲みたい!」
「お腹空いてなかったけど、ケーキつい食べすぎちゃった…」
そういえば、思い返すと食べ過ぎた日は、イライラしていたかも?
最近、忙しくて食事の内容に気を配れなかったりする・・・
なんて日が多かったりしませんか?
研究によると、コントロールできない慢性化したストレスと太りやすい食事(糖質と脂肪たっぷり&味も濃い)の組み合わせは、脳の報酬系を刺激し、過食を招きやすくなることがわかっています。
しかもこの影響は、体の内臓脂肪に深く関係していて、このタイプの過食は健康リスクが高くなる腹部(内臓脂肪)へ脂肪が溜まりやすくなるとも言われています。
さらに、睡眠不足がそこに加わると、脳への欲求を抑える力が弱まるため、過食に向かってよりまっしぐらの状態になりやすいのです。

ちなみに、ストレスで食が細って痩せる人もいますが、食事内容の組み合わせによる事が考えられています。
どういうことかというと、健康的で自然、かつ粗食であればあるほど、ご褒美としての脳への満足度が低下するため、そもそも食べ過ぎになりにくく、ストレスがかかっている状態だと胃が受け付けないこともあるからです。

これも実験でわかっていて、慢性的にストレスを与えたサルに自然で健康的な食事を与えると、食べる量が減って体重が減っていくのに対し、健康的な食事とご褒美的な脳の満足度の高い食事(糖質と脂肪たっぷり&味も濃い)を両方用意しておくと、ご褒美食事の方を欲しがり、しかもいつもより食べ過ぎる傾向が見られるという結果に。
デザートは別腹(言い訳ではなく本当だった・・・)
考えてみてください。
いくら健康に良いとわかっていても、あまり味のしない(薄味)、地味な食事だったり、なんならめちゃくちゃカラダに良いとはいえ、味付けのされてない食事は、必要量ですら食べるのが難しいと思いませんか?
(素材の味を楽しむ・・・なんて言いますが、今の野菜や果物は、品種改良なんてせずともそのままでも美味しく食べれたものとは、やっぱり違う気がします)
とにかく、味のしない食事は、頑張ってもたくさんは食べれません。
それに比べて、お腹いっぱい食べた後のデザートなら?
ラーメンやハンバーガー、ピザなどたらふく食べた後でも、アイスクリームならペロッと食べれちゃいますよね?
これはどういうことかというと、脳からしたら、デザート(甘い味)は別物なんです。
味変ってやつでしょうか。
新しい刺激(味覚)になるので、「塩味のものはたくさん食べたからもういらないけど、甘いものなら受け付けようじゃないか!」ってことなんですよ。
痩せたいと願う人からしたら、そんなの受け付けないでよって言いたいところですが、これもまた大昔には貴重だった砂糖への渇望からくるものなので、仕方ないのです・・・。
そう、脳が悪いんです・・・(笑)
脳からしたら、糖質は貴重でご褒美なのです。
だから、「さっきのアレ、摂取できるならもっとちょうだい!」と、手に入れるための強い指令を出してしまうんです。
これに意志の力で立ち向かうのは、なかなかに厳しいところです。

対処するには、薬物療法…とまでは言いませんが、似たような手法を取るのが有効的だという説もあります。
とにかくそれらのものから、遠ざかるってことですね。
意識から遠ざける・・・?
でも・・・
街を歩けば美味しそうなお店が立ち並ぶ、CMでは新しい商品がお知らせされる・・・、YouTubeでもインスタでも美味しそうな食べ物が表示される・・・
・・・難しくないですか?(笑)
太らないために!7つのコツ!
無理な我慢は続きません。
そもそも人は我慢できませんから、失敗します。
かといって、欲望のままに、実験のおサルさんのように食べてたらそりゃ太りますし、健康リスクも高まります。
だからこそ、「自分に向いている対策」を上手に選ぶことが大切です。
たとえば・・・
✅ おやつは目に入る場所に置かない
(そもそもストックしないのが◎)
✅ 将来の自分を、なるべく具体的に想像する
「これを食べたら、どうなる?」と自分の姿を想像する
✅ ナッツなど低GI&満足感の高いおやつを選ぶ
おやつ禁止!とかはどうせ続きません。
スナックばかりじゃなく、自然なおやつも取り入れて
✅ 睡眠不足を解消する
(6時間以下だと欲求が高まり、脳の誘惑に弱くなります)
✅ 「食べること以外」でストレスを解消する
散歩、読書、深呼吸、ハーブティーなどを利用する。 本当の空腹ではなく、脳の要求を抑えるために気を紛らすのが効果的
✅ 自分に合った“満足度の高い健康食”を見つける
外食が続いたり食べ過ぎたなと思ったら、絶食するんじゃなく、粗食ではあるものの満腹感や満足度のあるものでセーブする
✅ 普段から塩分控えめ、自然でやさしい味を意識する
ジャンクフードばかり食べていると本来の食欲センサーが乱れていくので、本当に自分のカラダが必要とする栄養素で満足できるように、食生活の改善は重要になってきます
ちなみに私の意識を食欲から背けるアイテムは、
・・・ゲームです(笑)
映画や読書も大好きなのですが、食べたり飲んだりできてしまいます。
スプラッターもののホラー映画などであれば、食欲は抑えられますが、いくらホラー好きだとしても、食欲抑えるために見続けるのは難しいです。
そのてんゲームであれば、やりながら食べたりはできないですし、気分転換にもなります♪
あとは、おすすめとしては素焼きナッツ、ゆで卵、アボカド、蒸し野菜などできるだけ味を濃くしないで食べること。
そして何より、睡眠・運動・ストレスケアを意識して、脳が暴走しない環境づくりをしてあげれると良いですね。
「意志の力」ではなく、環境と習慣づくりで、食べすぎは防げます!
自分が食べ過ぎていることに気づいてない人、たくさんいます。
太るのは、消費エネルギーよりも多く食べてしまうからです。
まず、そのことに気づいて、脳の欲求に振り回されてないか、本当の空腹なのか、その一口に将来の自分の健康リスクやお金をかける価値があるのか、よく考えてみても良いのかもしれません。
最後に
ダイエットや食習慣の見直しは、自分を責めることではありません。
今の暮らしや心の状態を見つめて、自分を大切にするきっかけにしてほしいのです。
10年後、20年後、あなたのカラダはどうなっているでしょうか?
今のあなたの選択が、将来の自分を作るのです。
私たちの心と体は、日々の小さな選択でつくられています。
「わかっているけど、つい…」の背景には、ちゃんと理由があります。
もし今、そんな自分に悩んでいたら、漢方薬でサポートするのも一つの方法です。
漢方薬は痩せる薬ではありませんが、体と心を整えるサポートをしてくれます。
どうぞ、漢方まりもにお話ししに来てくださいね。
無理なく、ほっとできる方法を一緒に探していきましょう♪