秋に起こる「気の不調」知っておきたい秋の体と心の揺らぎ
- 漢方まりも(店主:まりこ)
- 10月10日
- 読了時間: 5分
秋、なんとなく調子が出ないあなたへ
こんにちは、漢方まりもです。
季節の変わり目に「なんだか調子が悪いな」と感じること、ありませんか?
特に、秋の今・・・
朝起きてもだるい、気が重い、夜眠れない、不安な気持ち、などなど。
「更年期かな?年齢のせいかな?」と思っておられる方もいるのでは?
季節の変化が体にかける見えない負担を知っておくと、自分で対処できることもあるかもしれません。今日は、秋口に多い不調について簡単にあげていこうと思います!
秋口に増える不調 — なぜ?
秋は、自然界でいえば収束であり、冬にむかって収まっていく季節です。
春・夏の勢いがゆるりと落ち着き、冬に向かう準備期間、とも言えます。
そのため、体も動を抑えて「仕上げ」「整理」「補充」にエネルギーを回したいモードに切り替わります。
ところが、夏に消耗したエネルギーが悪影響を及ぼす方も。
冷たいものの摂り過ぎ、暑気や湿気による負荷……
こうした夏の疲れが、体のひずみとなり、秋口に不調を感じやすくなります。
漢方では、こうした状態を「秋バテ」「不定愁訴」と呼ぶことも。
誰しも「やる気が出ない日」ってありますよね。
それがずっと何日も続くとなると、まさに、「気」が元気を失って、体が休養を欲しているサインかもしれません。
気の不調は自律神経にも影響する
「気のゆらぎ」は、目に見えないけれど、実は体の司令塔でもある自律神経のバランスにも影響を与えます。
自律神経の乱れは、ありとあらゆる多岐にわたる不調の原因にもなるうえ、これといった西洋学でもこれといった治療法が確立されているわけではありません。
多くの人が、悩まされている自律神経失調症。
「気」のバランスが崩れていると自律神経にも影響し、心身に不調をきたしてしまいます。
東洋医学では、秋は「肺」の季節
「肺」は「金」に対応し、乾燥しやすい性質を持ちますが、「肺」は乾燥を嫌い、乾燥しやすいこの季節の外的影響(燥邪)に最もダメージを受けやすい臓とも言われています。
また、「肺」は鼻・皮膚・鼻腔・呼吸器と密接につながっており、粘膜の乾燥や咳、肌トラブルも、この「肺の潤い不足」からきていることも。
さらに、「肺」に対応する感情は「悲・憂い」
秋は、気持ちが切なくなったり、モヤモヤしたりする人が多くなるのも、実は自然な反応なんですよね。
肺(秋期)を整える養生法
では、秋の「気の不調」を少しでも和らげる方法を、体と心の両面からご紹介しますね!
秋の食養生ポイント
秋は「乾燥」が大きなストレスになる季節。
体の潤いを守ることがとても大切です。
漢方・薬膳の視点でおすすめなのは、「白い食材」を意識すること。
たとえば、大根、れんこん、ゆり根、白きくらげ、梨、白ごま、豆乳などなど。
どれもこの季節にぴったりの潤い食材です。
特にれんこんは、肺をうるおしてくれる優秀食材。
乾燥で咳が出やすい時や、のどがカサカサする時にも◎
もし冷えが気になる方は、体を温めたり、気を補う食材(芋類・豆類・きのこ・鶏肉など)も一緒に取り入れてみてくださいね。
呼吸とリラックス:空っぽタイムをつくろう
深呼吸は、いつでもどこでもできるいちばん身近なリラックス法。
鼻からゆっくり吸って、口からゆっくり吐く――。
そんな腹式呼吸を意識してみましょう。
ちょっとしたストレッチもおすすめです。
肩を回したり、腕をぐーっと伸ばしたり、背中をそらしたり。
体をゆるめることで、気のめぐりもスムーズになります!
それから、瞑想や静かな時間、何も考えない「空っぽの時間」も◎
リラックスする時間が、交感神経と副交感神経のバランスを整え、心と体をリセットしてくれます。
生活リズムは「早め早め」を意識して
秋から冬にかけては、日が短くなっていく季節。
体も自然と休むモードに切り替わっていきます。
なるべく早寝・早起きを意識して、夜更かししすぎないように気をつけてみてくださいね。
室内の乾燥対策も忘れずに!
この時期は、鼻やのどが乾燥しやすくなります。
加湿器や湿度計を上手に使って、お部屋の湿度をキープしてあげましょう。
粘膜が潤っていると、外からのウイルスやほこりもブロックしやすくなりますよ。
冷え対策も大事なポイント!
「首・手首・足首」の“三首”を冷やさないように意識してみて。
腹巻や靴下の重ね履きもおすすめです。
靴下は蒸れにくいシルクの靴下がめっちゃオススメです!
私も足先が冷える時は、薄いシルクの靴下を重ね履きしますが、汗で蒸れにくくさらっと気持ちよく過ごせます♪
あとは、夏の間シャワー派だった方も、できれば湯船につかってじんわり温まる時間を作ってみてください。
体の芯からポカポカすると、眠りの質もぐっと上がります。
漢方薬を取り入れるヒント(タイプ別アプローチ)
気の不調の裏にある「体質」が異なるため、使う漢方も人によって違います。
・気虚タイプ(気が不足している)
疲れやすい、息切れ、無力感、食後すぐ眠くなるような方
・気滞タイプ(気が詰まって停滞している)
気がうまく巡らず、停滞しているため、胸がつっかえる、ノドも詰まった感覚があります。
空咳が出たり、ささいなことが気になったりします。
・気逆タイプ(上に逆流するような気の異常)
のぼせ・頭重感・げっぷが出やすいなど。
上から下に流れるはずの気が、逆流して上昇してしまっているタイプ。
気の流れを整える処方がオススメです。
実際にはご本人さんを目の前にしてカウンセリングし、体質・症状全体を見て処方を決めるものなので、ここでのヒントはあくまで目安です。
「気の不調だから同じ処方」ではなく、「あなたの体質・季節・体の声」に合わせて選べるのが漢方薬の魅力でもあります!
自分自身へのいたわりを・・・
秋は、自然も生き物も少しずつ静まって冬に備える時期。
だから、私たちの体も心も、少し「静」の時間を持つことがとても大切です。
いつも周りに気をつかってしまい、自分の事はついつい後回しに・・・
使える自分のエネルギーをすべて周りの誰かに使ってしまってヘトヘトになってしまう優しいあなた。
どうか、ご自分の心を優先していたわってあげてください。
不調がずっと続き、気の乱れから本格的に「病」になってしまう前に。
気になることがありましたら、漢方まりもにどうぞ、ご相談くださいね♪



