潤す&冷ます体液が不足して乾燥!陰虚タイプって知ってる?
- 漢方まりも(店主:まりこ)
- 6月13日
- 読了時間: 4分
「肌が乾燥し、ドライアイで目が痛い」
「寝ている間に汗びっしょりかいてる…」
「足先は冷えてるのに、首から上はのぼせてる感じがする」
そんな経験、ありませんか?
もしかしたら「陰虚(いんきょ)」のサインかもしれません。
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、実は働き過ぎの現代人に少なくはなく、特に更年期前後の女性にはとても多いタイプなんです。
私のところに来られるご相談者さんも、「急に暑くなって汗が噴き出てくる」「病気かな?と思ったけど、病院の検査では異常なし」と言われて年のせいかな~と思ってた・・・なんて、そんな方もおられます。
今日は、そんな陰虚体質について、なるべくわかりやすくお話ししますね。
まるで、空焚き状態!?
東洋医学では、すべてが「陰」と「陽」というエネルギーのバランスがあると考えられています。「陽」は昼間の活動に必要なエネルギーでもあり、「陰」は、エネルギーを夜のうちに作り、陽のメンテナンスをしていますが、体をうるおし、冷ます働きもあるんです。
陰虚(いんきょ)とは、漢方でいう「陰(いん)」――つまり体をうるおし、熱を冷ますはたらきが不足(虚)している状態のことです。
「陰」が足りなくなると、対になる「陽(よう)」――活動的な陽のエネルギーが、抑えきれずに表に出すぎてしまいます。
つまり、「陽」が強くなったから熱くなる、というより、冷やす力=陰が足りないからバランスが崩れてオーバーヒートしてしまうんです。
たとえば、やかんをずっと火をかけていたら、中の水分がどんどん蒸発して、中身はカラカラになってしまいますよね。

似たようなもので、身体の中でうるおいや冷ます力が減り、冷ませなくなった熱が、ほてりやのぼせという症状になって出たりします。
あなたはいくつ当てはまりますか?陰虚チェック
□ 手足がほてる、特に夜に熱を感じる
□ 微熱っぽくなる、夕方にだるさが増す
□ 肌や髪が乾燥している
□ 喉が渇いて、夜も飲み物が手放せない
□ ドライアイで目が充血しやすい
□ 寝汗をかいて、パジャマが濡れることも
□ 尿が少なく、便秘気味(コロコロ便)
□ 冷たい飲み物を好む
□ 舌が赤く、苔が少なくひび割れている
□ 体温調節がうまくいかず、汗が急に噴き出す
いかがでしたか?

陰虚になる原因は「がんばりすぎ」と「潤い不足」
陰虚になりやすい人には、いくつか共通点があります。
・夜更かしや睡眠不足が続いている
・ストレスが多く、気を張ることが多い
・まじめで頑張り屋さん(つい無理をしてしまう)
・辛いものなど刺激物やお酒が大好き
・激しいスポーツやサウナなど、汗をたくさんかく
・夕方にかけて疲れ、怠さが出てくる
特に、50代の女性はホルモンの変化や更年期も重なり、陰液(血や水分)が自然と減っていく時期になります。
身体のサインを放置し、今まで通りに頑張っていると、知らず知らずのうちに陰のエネルギー不足である「陰虚」になることも。
陰虚タイプのセルフケアは「うるおす・冷ます・休む」
陰虚の改善には、陰液を蓄えて体の内側にうるおいを増やすこと。
わりと、自分は元気な方だと考えて無理しがちな人に多いので、まずは自覚して対策を取ることは自分の健康のためにも大切です。
毎日の生活の中で、できることから意識してみましょう。
★睡眠をしっかりとる
夜に寝ている間に、体は陰液(うるおい)を作ります。
夜遅くまで起きて活動せず、まずは早寝を意識して。
★アルコールを控える
お酒は体の水分を奪ってしまいます。乾いているときほど注意!
★潤す食材を取り入れる
白きくらげ、山芋、豆腐、梨などは、体の内側をしっとりと保ってくれます。辛いものなど刺激物は陰液を消耗させるため、なるべく控えましょう。
★汗をかきすぎない
激しい運動やサウナでの大量発汗は、逆に潤いを奪ってしまうこともあり、ほてりやのぼせを悪化させる原因になります。

一番大切なのは、「頑張りすぎないこと」
陰虚の方は、まじめで責任感の強い方が多いので、まずは自分をいたわり、休むという選択肢を意識してみてくださいね。
乾いた心と体に、漢方の知恵を
陰虚は、喉や肌の乾燥といった小さなサインから始まり、進むと火照りや、のぼせ、動悸、ホットフラッシュなど更年期の不調にもつながります。
身体の症状には必ず何かしら原因があり、それが症状として出てきますが、小さな異変を放置したままにしておくといずれ未病から病気へと移行していきます。
「不調ではあるけど、病気でもないし、このままでいいのかな?」と不安になったときは、どうぞお気軽にご相談くださいね。
「漢方まりも」では、カウンセリングを通して、心と体の状態を丁寧にうかがい、その方に合ったお薬や養生のアドバイスをさせていただきます。
あなたの渇きが、少しでもやわらぎますように・・・




