同じ漢方薬が違う症状に使われるのはなぜ?
- 漢方まりも(店主:まりこ)
- 7月10日
- 読了時間: 5分
こんにちは、漢方まりもです!
毎日暑い日が続いていますね~
外へ出るだけでも体力を使いますし、冷たい飲み物やエアコンが手放せない季節になってきましたね。
この暑さが本格的になる時期は、まだ体が慣れてないため、「体がだるい」「お腹がゆるい」「食欲が落ちた」など、はっきり病気ではないけれど、体の不調を感じる方も多いようです。
これだけ暑いと、「もう夏バテしたのかな?」と思う方もいるかも。
私も、大雨の翌日、庭の草むしりをしたのですが、1時間もしたら汗だくになってヘトヘトになってしまいました(体力無さすぎ?)
(しかし、草はまだまだある・・・汗)
「うわ、熱中症っぽくなったらヤダな」と思って、すぐ五苓散を飲んだので大丈夫でしたが、夏本番前の今、本当に注意が必要です。
このように、人によってさまざまな体調不良を感じている方もおられると思いますが、東洋医学では、症状そのものだけではなく、「どうしてその症状が出ているんだろう?」という視点で考えていきます。
「えっ、その症状にもコレ(漢方薬)を使うんですか?」
漢方相談をしていると、けっこうこんな風に驚かれることが時々あります。
例えばですが、頭痛・めまい・吐き気ってそれぞれ違う症状ですよね。
私も漢方を勉強する前は、「頭痛なら頭痛の薬を使うでしょ?」くらいに思っていました。
処方箋を扱う薬局に勤務していたこともあり、考え方が完全に西洋医学側でした。
でも漢方では、ちょっと違うところを見ているんですよね。
今回は、その考え方を「五苓散」を例にしながら、できるだけ分かりやすくお話ししてみようと思います。
一般的には「症状」に合わせて考える
症状的に合わせて考えるというのは、例えば、頭痛なら頭痛薬、吐き気なら吐き気止め、下痢をしているなら下痢止め、みたいにそれぞれに対応するやり方ですね。
西洋医学(一般的な病院)などではまさにコレですよね。
病院に行くまでもなくても、夏のだるさなら栄養ドリンクを思い浮かべる人もいるかもしれません。
これはごく自然な考え方ですし、もちろん間違いという話ではありません。
私も体調が悪いときは、「この症状を一刻も早くどうにかしたい!」って真っ先に思いますもん。
でも、漢方を基本とする時は、もう一歩だけ視点を変えて考えます。
漢方では「原因」に目を向ける
東洋医学で大切にするのは、「どんな症状なの?」だけではなく、「どうしてその症状が出ているの?」という視点です。
同じ頭痛でも、人によって原因は違うことは多々あります。
肩や首からのコリが原因だったり、冷えからくるもの、血圧が原因のもの、ストレスや寝不足、疲れからくるもの、などなど。
だから、「頭痛だからこの漢方薬」とは考えないんですよね。
ここが、西洋医学とはまったく違うところでもあります。
症状だけを見るんじゃなくて、その人の体(心)全体を見て考えていくんです。
今日の例である五苓散。
実はお医者様でも二日酔いなどに愛用されている方も多みたいですよ。
でも、五苓散は二日酔いの薬というわけではありません。
実際には、二日酔いだけではなく、頭痛、めまいや吐き気、水下痢、むくみ(浮腫)、尿量減少、夏のだるさ、乗り物酔い、食欲不振など、様々な症状で使われることもあります。
「えっ、そんなにいろいろ?」と思いませんか?
症状はそれぞれ違うのに、五苓散が効くのはなぜか?
それは、水の巡りが関係していると考えられる場合に使われることがあるからなんです。
だから、症状は違って見えても、原因をたどると共通していることがあるんですよね。
(あっ、なんでもかんでも五苓散、という意味ではありませんよ?実際には体質や症状の現れ方などを総合的に考えて選びます)
「同じ症状」でも選ぶ漢方薬は違うこともある
漢方には「同病異治(どうびょういち)」という考え方があり、簡単に言うと、同じ病でも異なる治療をする、ということです。
症状として同じ「頭痛」を訴える人がいても、同じ治し方とは限らないってことですね。
原因が違えば選ぶ漢方薬も変わるからです。
さきほどまでお伝えしていたのは、「異病同治(いびょうどうち)」といって、異なる病でも、同じ治療をする、ということですね。
この考え方に初めて触れたとき、すごく面白いなと思って、漢方のもつ可能性に興味を惹かれていったんです。
「症状に薬を合わせる」というより、「その人の状態に合わせて考える」
だから、一人ひとり違うんですよね。
今回のお話を分かりやすくするために、五苓散という処方を例に出しましたが、伝えたいのは「症状だけではなく、その原因を考える」ということ。
この視点を知ると、「この漢方薬は〇〇に効く」という見方ではなく、「どうしてその症状が出ているんだろう?」「これを改善させるには、どうしたらいいんだろう?」と体を見つめるきっかけにもなります。
相談を受けていても、やはり、「〇〇に効く漢方薬ってありますか?」という質問が、すっご~~~~く多いです(強く言い過ぎ?)
世の中は、漢方薬を西洋薬と同じように捉えている人がほとんどです。
その気持ちはわかりますが、視点が違うため、漢方まりもでは丁寧に説明して理解してもらうことから始まります。
治療をするための第一歩ってくらい、大切な部分です。
症状や病気を診るのではなく、人を診る
このことを基本に、さらに自分の「体の声に耳を傾ける」という考え方が、漢方の好きなところの一つですね。
病気や不調になってしまう前に、毎日を心地よく過ごすために、漢方薬は予防として使うこともできる身近な存在になってくれます。
悩んでいる方はぜひぜひ、漢方薬をお役立てください♪



